俵町について

させぼ俵物語

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このお話は、俵町の生まれた由来を物語にしたものです。
むかしむかし・・・・・
佐世保がまだ小さな村だったころのおはなしです。
ある朝、村はずれの畑に、俵(たわら)に
くるまれたほっぺたがぷっくらした
男の赤ちゃんがひとりで泣いていました。
そこで村人たちは、みんなでこの赤ちゃんを
育てることにしました。
赤ちゃんは俵にくるまれていたことから
「俵太(ひょうた)」と名付けられ、

2

可愛がられて元気にすくすくと成長しました。
ある年、お天気も悪く長雨が続き、
作物は不作でお米屋さんには、
からっぽの空き俵があるだけ。
村には食べるものがなくなってしまいました。
村人たちは暗い顔でただ空を仰ぐだけです。
いつのまにか笑顔も消えてしまいました。
2
それを見た俵太くんは、
村人たちを元気づけようと、
空き俵の上で手拍子をとり、
笑いながら踊りはじめたのです。
ひとりの村人が俵太くんのひょうきんな仕草につられ、
思わず笑い出したところ、
俵太くんが踊っている空き俵がむくむくと
ふくらみはじめたのです。
得意そうな笑い顔の俵太くんは、
次の空き俵に飛び移りました。
2
すると村人の笑い声にこたえるように、
これも大きな俵になりました。
村人のひとりが俵の中身を調べてみると、
なんとそこにはお米がぎっしり。
村人たちは喜びにわきかえりました。
ふと気づくと大きな俵の上で
満面の笑みで微笑む成長したえびす様がいたかと思うと、
フーッと消えてしまいました。
2
「俵笑福神」として祀り、
豊かになった村は俵町と呼ばれるようになりました。
この俵太くんの話しを聞いて、
あちこちから人が集まるようになり、
いつしかお店が並び、
また人が集まる、そしていつもたくさんの笑い声が
あちこちから聞こえる楽しい街になりました。
俵町にはこんな話が伝わっています。
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